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2011年4月13日水曜日

【震災の健康食品産業への影響②】もし計画停電が起きたら?

■東京電力は「原則実施しない」と発表

4月8日に東京電力は、電力不足が見込まれる5月下旬以降「原則として計画停電を実施しない」方針を明らかにしました。

IT mediaニュース:東京電力、計画停電打ち切り 政府、夏も「原則実施しない」方針

本エントリは、それでも「もし、計画停電が起きたら?」について書きます。


誰に影響があるの?

受託企業

先日のサプライエキスポの会場でのことです。
ポカリと空いた大きなブースがありました。

つぶちゃんブログ:「健康食品製造の祭典」サプライエキスポの会場の様子。写真は会場入り口。ちなみに“つぶちゃん”は、僕が信頼する原料サプライヤーの営業の方です。 

主催社のヘルスビジネスマガジン社の方に聞くと、
アリメント工業が直前にキャンセルした」という。
会場では3.11以降の同社について「納期の遅れ」「新規顧客の受け入れも積極的でない」と指摘する声も聞こえた。トップ企業のひとつですからね。うわさの的になるのも無理はないです。(アリメント工業に発注されてる方は直接ご確認お願いしますね)

そして、東京電力停電区域にある受託は、
三生医薬
三協も入っている。
いずれもトップ5に入る大手です。

健康食品の受託工場の多くは静岡にありますが、
東京電力の停電区域には東静岡が入っています。
ですから、他にも東静岡に工場を持つ企業は多くあると思われます。
これらの企業で減産調整が発生する可能性がございます。

ネット通販

もうひとつ、大きな流れとして挙げたいのは、
電力不足のリスクを回避するために、東京電力圏内から移動する企業が出てきていること。
ケンコーコム プレスリリース:福岡への本社機能一部移転のお知らせ
ネット企業の多くは、工場や顧客の多くが東日本にある企業に比べて、格段に移動コストが低い。それでいて顧客データが停電で飛んでしまったりしたら大変です!


しかもケンコーコムは、健康食品のネット通販で最大手


ネット通販企業で追随する動きが出てもおかしくない。
電力不足からくる機会ロスが、ケンコーコムに対する弱みになるとも限らないからです。

ネット通販を顧客に抱える企業

また、これはネット通販の顧客を多く持つ東京の原料サプライヤーにジワジワと影響が広がっていくことが予想されます。
出張等の営業コストが増えたり、あるいは電話やメールなどで済ませて直接会う機会が減るといった変化が出てくるのではないでしょうか。

節電要請も含めた電力不足の問題は、長引けば長引くほど、企業の一極集中だった東京からの分散化傾向が進むと思われます。


何に影響があるの?

<連続生産する商品>

食品売り場では、ヨーグルトやビール、納豆で品不足が出ています。
日経:牛乳やヨーグルト、東日本で品不足続く
zakzak:ビールも、納豆も、薬も…計画停電で必需品が消えていく
これに共通するのは「連続生産」が必要であることです。
微妙な温度調節を電気でコントロールしているからです。

健康食品にも同様に温度調節をコントロールし続けなければならない商品があります。
酵母
酵素
乳酸菌
乳酸菌生産物質
菌糸体のキノコ類が原材料に使用され、
「発酵」「培養」が生産行程にある商品です。

またこれ以外にも連続生産が必要な分野はあると思います。
連続稼働を実現するために夜勤にシフトするケースは考えられますが、従業員の生活リズムや休日が取りにくくなる等の影響が心配されます。
日経ビジネスOnLine:計画停電が日本の製造業をさらに弱体化する

■ネット上で情報共有しましょう

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