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2021年5月6日木曜日

「十中八九」が突き刺さる

 ーー家族旅行中だった。

僕はトイレに席を立った。デッキは行列。駅に着くところらしい。トイレには先客有り。止まった駅のホームにトイレのマークが見えた。
新幹線はこの駅で十中八九、長く停車する。
…はずだった。
僕がようをたすころにベルが鳴り響いた。ヤバッ!間に合うか?!ベルが止まらないよう願いながら新幹線に駆け寄った。身体が無理なら腕一本だけでも閉まる扉の向こうに挟み込もう!
この新幹線の名前が『人生』であることはうすうす気づいてた。
この駅に取り残されるわけにいかない!さっき降りていった人たちはもういない。家族の元へ帰らなきゃ!
ーーここで気が付いた。
生活感のない天井。足元が薄明るい。カーテンの敷居。ドアに挟み込もうと思った腕には点滴。
"あぁ、寝てたんだ。僕は起きたんだ"
「この新幹線は十中八九、長く停車する」はずだった、
が突き刺さる。
こうして夢を「投稿する」に変換することが、自分を主観の底に落とさずに留めてくれてる。